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てつろうのblog

考えをかたちに、記録に。

生きているだけで存在していい ブックレポ:社会人大学人見知り学部卒業見込み

オードリーの若林正恭さん著「社会人大学人見知り学部卒業見込み」

先日のオリエンタルラジオ中田敦彦さんの「芸人前夜」と合わせて読みました。

比べてみると、

 あっちゃんのほうが、感情に訴えかけてくる。

 若林のほうが、構成がしっかりしていて賢いイメージを持つ。

 あっちゃんのほうが、一気に勢いよく読ませてくれる。

 若林のほうが、じわじわと染みてくる。

 あっちゃんのほうが、かっこ良く終わる。

 若林のほうが、ぬるっと終わる。

それぞれとてもらしさが際立つ2冊でしたが、芸人前夜はエピローグにとても

感動したのに対して、こちらの本は終盤の訴えかけてくるものに胸を打たれました。

 

いくつも素敵なエピソードがあるのですが、ひとつ取り上げたいのは

「牡蠣の一生」でした。

「この世に存在する理由は2つある。ひとつは何かをしているから存在していいと

いうこと。ふたつめは生まれてきたら、なんの理由もなくこの世界に存在して

いいということ。」

というところは、自分がずっと感じていたことをそのまま言葉にしてくれたような

気がして、とても清々しい気持ちになりました。

 

いまの日本は見方によってはとても生きにくい国だと思っています。

勉強が出来ないと、とか、友だちができないと、とか、恋人がいないと、とか

就職ができないと、とか、仕事で認められないと、とか、お金がないと、とか、

確かにないよりはあったほうがいいかもしれないけれど、

あったからといって幸せになれるわけではないものを、

求められ過ぎているような気がします。

もちろん、僕自身そんな「ないと」な社会の中で生きている自覚があります。

 

この本を読んだときふと思い出したのは、同じくお笑い芸人の

髭男爵、山田ルイ53世の記事でした。

www.j-cast.com

 

自分にも、そういうところあったなと思います。

勉強して、成績が良くて、社会性があって…そういう社会の価値観のなかで

誰かと比べて優位に立って、優越感を感じようとしていたような気がします。

 

ぼくはいま、息子と一緒に暮らしています。

この考え方が正しいかどうかわからないですが、僕は出来る限り、

何もしていない息子を無条件に愛せる親になりたいと思っています。

 

もうひとつ、これから機械やAIのやること、できることがどんどん増えていく

時代を迎えるにあたって、人間らしさってなんだろうと思いを巡らすと、

ぼくの答えのひとつは「不完全さを笑うこと」だと思っています。

これって機械にはできないことだと思いませんか?

だって機械やAIは(いまのところ)正確に物事をこなすためのものだから、

それを真っ向から否定してやれば人間らしくなると思うんです。

 

亡くなった立川談志さんは「落語は人間の業の肯定だ」と言っていました。

落語ではよく人間の欲だったり、金儲けだったり、見栄だったり、

ついつい出てしまう人間の「ダメなところ」を切り取って笑いに

変えていきます。

 

何をやってもダメな自分を、笑ってあげて、それでもいいよ、といってあげられる。

まず自分自身に対して、そんなあたたかさを持っていたい。

そして他人にも、それでいいんだよ、ダメダメだけど、と笑って接する

ことができるようになりたい。

まだまだ道半ば、これからの目標です。